先日、元同僚達との会食にお誘い頂いたのですが、年上の先輩達からの会話の中で
「日本企業の同級生とかさ。役職定年で給料減っちゃって大変みたいでさ。外資は役職定年とか無いから良かったよ。」
と仰っていたのが印象的でした。僕も管理職を経験しましたが、確かに「役職定年」という言葉の存在を忘れる程に意識する事もありませんし、役職と年齢は関係ありません。
日本企業でほとんど働いた経験を持たない僕が言える事でもありませんが、晩婚化も進む昨今、50代は一番教育費にお金の掛かる時期だったりする人も少なくありません。
そんな中で「年齢」という如何ともし難い制約により、いきなり管理職から外されて給与も減額される、という何とも謎のシステムに従わなければならないのは、なかなかに厳しい様に思います。
先日のニュースで「人間の老化は44歳と60歳で急激に進む」という内容を聞き及んだりして、確かに年齢と共に気力・体力とも衰えていく中では、ある程度の年齢で大きな責任や激務から離れて、その後は後進に譲るのも理に叶っている様にも思います。
しかし、それは人それぞれ個人差もありますし、定年も同じですが、全員一律に同じ年齢で、と言うのも疑問です。人によっては、ある程度の年齢でもう少し気楽に働きたい人もいるでしょうが、もっともっと出世を望む人もいる気がします。
「その年齢で出世競争はタイムアップなんだよ」という事なのかもしれませんが、キャリアパスが一律過ぎて、多様な能力が活かしきれない仕組みとも感じます。
その点、外資系企業においては、日本支社であろうとも、その辺りの人事制度は全世界で統一されていますので「役職定年」という考え方自体がありません。そのポジションに相応しい能力を備えて実績を出してけば年齢に関係なく全ての従業員にチャンスは提供されます。
逆に能力や成果に課題が見られ、疑問が呈される場合には、容赦無く下されますので、仕事もできないのに年齢だけで居座る「なんちゃって管理職」は残念ながらゼロでは理ませんが、極めて少ないと思います。
特に多くの外資系企業では「従業員満足度調査」が定期的に実施され、自身の部下からも上司としての振る舞いが評価される項目も含まれます。
それだけではありませんが、あまりにも上司として、部下からの評価が低い場合には会社から改善の指摘が入りますし、自身の査定にも含まれますので、より公平に管理職としての適性が判断されている様にも思います。