はじまる転職・外資系ITのキャリア (はじてん)

外資系IT企業への転職を機に四半世紀を過ごし、海外勤務も含めてキャリアのチャンスにも恵まれた後に、現在はFIRE生活を送っています。

外資系IT企業も変わる。

僕が外資系のIT企業で働き始めた四半世紀前は、まだ「IT」という言葉も普及しておらず「情報処理システム」という企業のデジタルデータを賄うハードウェアやソフトウェアを扱う仕事でした。

日常生活で、これらの技術が使われているのは、企業活動の極々、限られた領域が主だったので、外資系のIT企業と言っても知られているのは、マイクロソフト社とアップル社、IBM社程度だった様に思います。

職業を問われて

「システムエンジニアをしています。」

と答えると、ちょうどWindows 95がリリースされて程なくのパソコンが知られて来た頃で、

「あ〜最近できた仕事ですね。」

などと言われた事もありました。

家庭用ゲーム機は広く普及していたので、その頃の同期入社には「将来的にゲーム作りができるかも」と思って足を踏み入れた人も多かったのですが、同じプログラミンや計算機器を扱うにしても、用途も業界も求められるスキルも異なり、辞める人も多かったのを覚えています。

まだまだ学生として優秀な時代を過ごした人たちは、銀行や証券会社、製造業やゼネコンを始めとした日本の大企業へ就職をして終身雇用で安泰な人生を目指す時代でした。

最初に外資系企業へ転職した時の衝撃は今でも忘れませんが、その当時、外資系企業へ転職される人たちは、一癖も二癖もある少々個性強めな人たちが多く、集団の横並びではとてもやっていけなかったのだろうな、と想像していました。

僕もそもそも世のマジョリティーに興味を示さないので、そんな環境の一員として仕事を始めた時には誇りでしたし、大いに刺激を受けました。それから、早、四半世紀程が過ぎるとITは、どんな業界のどんな企業でもビジネスの基盤として利用される様になり、一般生活にも不可欠になりました。

「IT」が専門領域から、一般的な領域へと変化していったのです。多くの場でIT知識・技術が必要とされ、競争が激化し、会社はそれぞれに規模を拡大するべく買収を繰り返し、今や優秀な学生の多くが外資系のIT企業への就職を望む時代になりました。

それに伴い、僕の職場環境も変わってしまいました。仕事の質に誇りを持ち「一過言を心意気に据えた」エンジニアは失われ、キラキラと綺麗な仕事で高給を得たい人が随分と増えました。それはそれで仕方がないので、良いのです。

四半世紀前に囲まれた厳しいけれども個性的で刺激的な人々が自分の周りから消えてしまいました。消えたのではなく、みんな時代に合わせて変わっていったのですが、僕が誇りに感じていた職場環境は失われてしまいました。

時代が変わり過去にしがみつきノスタルジーでモノ語る人間にはならないように、この先は次世代へ繋ごう、とFIRE生活への後押しもしてくれた様に思います。

ここから四半世紀後には、どうなっているでしょうか。