はじまる転職・外資系ITのキャリア (はじてん)

外資系IT企業への転職を機に四半世紀を過ごし、海外勤務も含めてキャリアのチャンスにも恵まれた後に、現在はFIRE生活を送っています。

外資系IT企業でもAI活用。

昨今のIT業界の技術トレンドの1つは、間違いなく生成AIだと思います。僕がIT企業に勤務していた頃にも既に、ChatGPTをベースとした生成AIの技術を社内でも活用すべく、社内利用向けのツールがグローバル全社で公開されたりしていました。

まだ、社内外のメールや社内文書のドラフトの自動生成ほどに留まっている様でしたが、ITが得意な定形作業に加えて、ある程度の作成までを持ち得てしまった事はある意味での脅威です。

この先「それは事務所のAIがやった事でして・・・」と言い訳する政治家が出てきそうです。AIにまで責任は押し付けられません。

既にいくつかのソフトウェアやインターネットサービスにもこれら生成AIが取り込まれて、新機能として実装されていたりします。この技術は顧客へ今まで実現が難しかった付加価値の提供が可能になりますが、一方で、僕たちの働き方への影響もありそうです。

まず、決まったコミュニケーションを繰り返すような「トランザクション系」の仕事は、ほぼ全て取って代わられる日も遠くはありません。定型の営業活動、定型内容を案内するコールセンター、過去の事例より案内できる内容の全ては、人間の知的活動とは認識されず、AIで充分に対応が可能となります。

「記憶する事」の価値も低下していく様に思います。IT技術を利用して今までも大容量の記憶は可能でしたが、そこへのアクセス手段が限られていたが故に、人間が記憶する価値、も保たれていた様に思います。

しかしながら、これからは、人間と会話するのと同等にこれら生成AIとの会話が成立すれば、これらIT機器内に蓄積されている大容量の記憶へのアクセスが可能となり、人間が記憶しておく意味がなくなる気すらします。

僕は管理職の頃、常にAIに代替されない様な仕事をして行きましょう、と部下には伝えていましたが、なかなか理解もされませんでした。AIに代替されないためには「人間の創造性を発揮した仕事」が必要なのですが「定義された仕事をこなして給与を得る」事が働く目的の人に取っては「意味のない面倒な余計な仕事」にしかなりません。

これから先、この様に考えている人達がどうやって食べて行くのか個人的には不安しかありませんが「会社がなんとかするだろう」としか思っていないのかも知れません。管理職は人を扱う仕事ですので無くならないのかも知れませんが、ただ数字を見て他人を評価するのはAIで充分です。

AIが台頭すればするほど「データに残らない情報の価値」が増し、時代に反するように口伝えでのコミュニケーションや秘密裏なやりとりが貴重になるかも知れませんが、もはや僕には、この先のIT業界の動向がどのような方向に進んでいくのか、また、そのスピードについても想像が追いつかない様に思います。