はじまる転職・外資系ITのキャリア (はじてん)

外資系IT企業への転職を機に四半世紀を過ごし、海外勤務も含めてキャリアのチャンスにも恵まれた後に、現在はFIRE生活を送っています。

キャリアに悩んだら「演じて」みる。

会社員時代の僕は、そもそもの出世欲も希薄で、ただ外資系IT企業で働くのは肌に合っていると感じていたので「歳をとっても長く働き続けたい」とは思っていました。

外資系IT企業で比較的年齢が上がってもそれなりにやっていける職種は、カスタマーサクセスマネージャやテクニカルアカウントマネージャと呼ばれる保守系のコンサルタントか、プロジェクトマネージャだったので、その方面を目指していました。

しかしながら40代に差し掛かろうとしていた頃、その当時、良くしてくれていた上司から管理職への打診を頂きました。ただ、その当時の僕は「あまり人に興味がなさそうだから心配もしている」との指摘もありました。

僕自身も集団の中で面倒見の良い人間だとは思っていなかったので、その指摘は当たっていたのですが「ダメならコンサルタントで食べていけば良いか」と挑戦してみる事にしました。

まあ、案の定、最初はあまり部下の悩みや将来の不安など「正直、興味ないな」と思いながら話を聞いていましたが、そこは「管理職である彼らの上司」をその当時の上司を参考に演じました

来る日も来る日も本当の自分は傍に置いて、演じました

これは、精神的にも楽でした。ある意味、仕事中は、自分とは別人格があれこれと本来の自分には興味の無い事柄に対応しているようで、何を言われても、本来の自分が傷つく様な感覚もなく「あくまでも仕事」と割り切る事ができました。

そうこうしている間に、これらの部下とも様々な課題やトラブルを一緒に乗り越えていく事もあり、自然と信頼関係も生まれ、お互いに情も生まれてきました。

それからは、自分でも驚くほど部下やチームの様々に心底興味が湧いてきて、少しでも良い組織となるように、少しでも部下が楽しく働けるように、と自身を呈しても管理職の仕事に喜びを感じる様になりました。

長い会社員生活では、好きな事だけできませんし、苦手な事が思わぬチャンスに繋がる事もありますので、ダメもとで演じてみるのも悪くないと思います。演じたからと言って本来の自分自身の気質が変わる訳ではありませんが、今まで感じた事の無い気持ちが芽生えたりするきっかけにはなると思います。

結局、10年ほど管理職を続けた僕の結論は「管理職には向いてなかったな」なのですが、これらの経験を通して人間的な成長は出来たと思いますし、逆に管理職になっていなかったら、未だに会社員を続けていて、FIRE生活など新たな挑戦もなかったかも知れません。