はじまる転職・外資系ITのキャリア (はじてん)

外資系IT企業への転職を機に四半世紀を過ごし、海外勤務も含めてキャリアのチャンスにも恵まれた後に、現在はFIRE生活を送っています。

外資系企業で貰える株。

日本に進出している外資系IT企業は、ほぼ本国では上場している事も多いので「ESPP (Employee Stock Purchase Plan)」と呼ばれる従業員持ち株制度があります。これは従業員であれば、四半期毎に自社株を市場価格の15%程度の割引で購入ができる制度で、給与の何%や金額を指定すると給与天引きで、自社株の購入が可能です。

もちろんこれは、会社の株価が上がれば従業員の収入も増えるのだから、会社の業績が上向く様に従業員も一緒になって頑張る仕組みです。著しく株価が下がらなければ、15%分の利益が自動的に得られますが、利益金額には20%の分離課税が課されます。

もう一つの仕組みは「RSU(Restricted Stock Unit)譲渡制限付き株式ユニット」と呼ばれるストックオプションです。こちらは「誰でも」と言うよりは管理職や特定のジョブグレード以上の従業員など、会社によって多少対象が分かれます。

これは、入社時のオファーレターや年次査定時のパフォーマンスレビューの書面などに権利付与の株式数が含まれ、会社から一定の期間に渡って分割されながら、特定の株式が譲渡されます。RSUの詳しい仕組みは割愛しますが、大抵は、四半期毎に特定数の株式が譲渡されます。

これは長く会社に在籍すればするほど、より多くの株式が従業員に渡りますので、優秀な人材を出来るだけ長く会社に留めておく為の施策と捉えることができます。外資系の企業だと為替リスクもありますので、個人的には、ESPPはあまり積極的には参加していませんでしたが、RSUではとても多くの金額を貰う事ができたので、FIRE原資になりました。

当然ながらRSUは、本社や日本支社が上場していなければ受け取る事が出来ませんので、転職の際にも上場している会社なのかどうか、RSU付与の有無などはオファーレターの記載を充分に確認されてください。入社時のRSU付与は、多くの企業で大体3年分程が権利として含まれている事が多いです。

ただ、RSUは手にしてからの売り時も難しく

「業務が忙しくて気にしてない」「持っていれば上がるだろう」

と言っている間に会社の業績や業界の動向の変化によって時価があっという間に下落してしまったという人も多々目にしてきました。IT企業が多く上場しているNYSEやNASDAQといった米国株式市場には「値幅制限がない」ので株価変動が激しく留意が必要です。