僕は、海外出張の際に一度だけ飛行機を乗り過ごしてしまった事がありました。それは、人生で最長のフライト時間だった海外出張で、出張先のアメリカ内での国内線への乗り換えも含めると順調に進んでも24時間程度を要する長旅だったのです。
その頃、僕は東南アジアで働いていたので、日本を経由してニューヨークはJFK空港着のフライトに乗り込んでいました。そこまでは予定通りだったのですが、JFKでの国内線での乗り換えでゲート前で待っても待っても、僕が乗る予定のフライトの情報も、搭乗のアナウンスも無いのです。
「遅れているのかな」
と呑気に構えていたところ、後々判明したのは、急遽、僕が乗る予定だったフライトの搭乗ゲートが変更になっていたのですが、それを知らずに、当初確認したゲート前で長々と待っていた様だったのです。
痺れを切れして、空港スタッフに確認した頃には、時すでに遅し・・・僕が乗らなければならないフライトは出発してしまっていました。
「やばい」
明日の朝には、会社のオフィスで上司や同僚とホテルロビーで待ち合わせの予定でしたが、その日は全便終了しており、振り替えてもらってものの翌日の朝の便しかありませんでした。
しかも、JFK到着から乗り換えで待っていた時間も含めて、既に夜もかなり更けていたのです。仕方なく空港近くのホテルを案内してもらいそこまでタクシーで移動し、シャワーと少々の仮眠で、再び早朝のJFKへ赴きます。しかも、手荷物以外のチェックインした僕のスーツケースだけが乗り換え便に積み込まれ先に到着地へ送られてしまっているという状況です。
「やれやれ」
翌日、やっとの思いで無事、地方の小ぶりな到着地の空港へ降り立った僕の前には、本人よりも一足早く到着したスーツケースがボツりと見えるのです。半日遅れで、オフィスに到着した僕に「お〜やっと来たか〜」と同僚には少々揶揄われながら、安堵したことを覚えています。
その後は、大きなトラブルもなく無事に出張を終える事が出来たのですが、この頃は海外出張が頻繁に続いていて、ちょっと疲れが溜まっていたところに、移動距離が長すぎる出張でやらかしてしまいました。
ヒヤヒヤした思いの多かった出張でしたが、今でも忘れられない思い出の一つです。