はじまる転職・外資系ITのキャリア (はじてん)

外資系IT企業への転職を機に四半世紀を過ごし、海外勤務も含めてキャリアのチャンスにも恵まれた後に、現在はFIRE生活を送っています。

レイオフ(一時解雇)に備える。

特に、株式会社は株主のものという考え方が強い欧米を本社に置く上場外資系企業は、四半期毎に株主へのIR報告があり、業績が芳しくないと改善施策を実施する必要に迫られます。

企業は、売上・利益を伸ばしていく施策も検討しながら、社内のコストを削減する方法を模索します。最初は、お客様へ影響の出ない部分から進めていきますが、続いて各種イベントなどのマーケティング活動の休止、社内外の出張の抑制、社内施設や備品にかかるコストの削減など、出来る事はできるだけ実施します。

また、計画されていた投資案件や買収案件も保留となります。

しかしながら、それでも株主が期待するほどの業績回復とコスト削減により利潤確保ができなければ、人員整理に手を入れます。

まずは、営業と間接部門から始まります。成績の芳しくない営業担当から解雇され、続いて、マーケティングや人事や経理といったバックオフィスの管理部門の人員の削減となります。

典型的には、ここまでが「第1弾」でしょうか。

それでも状況が改善しない場合には「第2弾」が発動します。開発部門のチーム・経費が縮小され、予定されていた製品リリースが停止されたり、既出製品のメンテナンス人員が削減されます。

そして最後の「3段階目」に入ると、コンサルティングやサポート部門に手が及びます。これらの部門は、日々お客様と接して、現在の売り上げ・利潤を維持・確保する部門になりますので、ここに手が入ると相当、会社の経営状況は危機的だと考えた方が良いです。

大概の場合、レイオフして会社の財務状況が改善されると反動の様に、新たな「採用」が始まります。良くも悪くも一部を除いて、定期的に人材が循環しているのが外資系企業です。

外資系企業で働く身として大切なのは、

「レイオフに会っても、転職先に困らないスキルと人脈」

を常に磨いておくことです。以下の記事にも記載をしていますが、僕が海外でレイオフされた時にも救ってくれたのは、かつての同僚でした。

haji-ten.hatenablog.com

日頃から「会社が変わっても一緒に働きたい」とどれだけ多くの人に思ってもらえるか、信頼関係を築けるか、が「いざ」という時に自身を助けてくれます。合わない人や嫌いな人とまで無理やりに頑張る必要はありませんが、自身が「ついていきたい」と尊敬できる先輩や上司、同僚や「優秀だな」と感じる部下や後輩とは、自身の行動や礼を尽くして繋がりたいものですし、それが会社員の醍醐味である様にも思います。